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ダイオーズ大久保真一社長
「後継者作りも競争で」と地区本部制導入
アジア戦略強化
オフィス向けコーヒー大手
中高年の活用も
目標はグローバル企業。今後はアジア戦略を強化し、米国事業も売上高を2倍の100億円に拡大すべく戦略を展開していきます」 オフィス向けコーヒーサービスの大手ダイオーズの社長の大久保真一は語る。
同社はコーヒー、水、ECOトナー、清掃などをオフィスに提供するオフィストータルサービスの大手。売上高120億円、営業利益8.5億円を見込み、大久保は「オフィスにコーヒーを持ち込んだ男」として知られる。その大久保が02年4月、営業体制を4事業本部制から7地域本制に転換し、今年4月からは3営業本部制に改変。狙いは次代を担うリーダーの育成だ。大久保は語る。「私も63歳。次のリーダーを作るために人材を洗い直す」大久保の起業までの道のりを振り返る。
大久保は41年3月、東京・浅草の米屋に生まれた。子供の頃から父親に「中学校を出たら大阪の米屋に10年間奉公に行け」と言われて育ったが、中3のときに母親が「せめて商業高校ぐらいは・・・・」と父親を説得。これが最初の転機となった。都立の商業高校では、簿記の成績が1位。高2で写真部を作り、高3で生徒会議長になるなど、活発だった。卒業後は奉公に行く考えだったが、力試しで受けた三越の入社試験に合格。これに自信を得て選択科目に簿記があった中央大学経済学部を受験し、成功。父親は「もういい。米屋はオレ一代で終わりだ」とポツリと言った。
大学でも米屋を原体験とした小売業への関心は高まる。全日本学生写真連盟の委員長まで務めた写真部の活動で地方へ行くと、必ず「主婦の店ダイエー」「灘生協」などの話題のチェーン店を見て回った。
63年、読売広告社に入社し、海外生活を企てる。入社3年目から欧米経営者を招いたボランタリーチェーンのセミナーに参加し、その都度外国人経営者に研修を受けたいと直談判した。4年目にオーケーされ、退職して米国へ。南カリフォルニアのスーパーマーケットで6ヵ月、ドイツのチェーン店で3ヵ月、スウェーデンの生協で3ヵ月研修するなど、約2年欧米に滞在した。
こうした経験から生まれたのが、10店ずつの米店で商品を一括仕入れし、台所に届ける「配達スーパー」構想だ。清涼飲料、洗剤、トイレットペーパーなど、重くてかさばるモノを月2回配達する。経費をかけずに在庫を持たなければ利益は必ず出ると考えた。「米屋を配達機能として捉えたんです。ダイオーズの原型です」と大久保。帰国後、家業を法人化し、米店の全国組織に提案すると、このアイディアに共鳴して事業が始まった。しかし、注文は増える一方だったが、肝心の収益は上がらなかった。そこでスーパーにない独自商品として、ダスキンを扱い始めた。ダスキン本社のフランチャイジー(契約店)になり、化学雑巾を目玉商品にする。市場を家庭用からオフィス用に転換し、75年、全国に2000あるダスキンの契約店でトップに立った。
大久保はさらにオフィス向け事業を模索し、カリフォルニアで見たオフィスコーヒーサービスに目をつける。米国で経営ノウハウを学び、独自開発の機械とフランチャイズチェーンで事業を始めた。インスタントコーヒーより美味しくて経済的な点が受け、顧客は着実に増加。88年、米国の同業20社を買収して、ダイオーズUSAを設立し、逆進出した。96年には、念願の店頭公開を果たし、サービスも純水、玄関マット、モップ、使用済み複写機トナーを回収、充填して再生する「ECOトナーカートリッジ」と拡大する―。
03年4月には米国でオフィス清掃事業を展開するカバーオールと提携した。契約店はまだ30だが、3年後には100まで増やす。 大久保は語る。 「当社の顧客をカバーオールの契約店に紹介すれば、相乗効果が出る。実は中高年層の人材活性化にも大いに期待していて、リストラされた有能な中高年の活用に、カバーオールがお役に立てるのではないか」 今後の展開が注目される。 =敬称略
(夕刊フジ 2004年4月10日)